vol.10 イヌとネコと冷房と除湿 ~熱中症も大事ですが~


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獣医師プロフィール
名前:宮本三郎
出身大学:麻布大学
勤務先:安田獣医科医院
趣味:ペットショップめぐりと独り旅行。

イヌとネコと冷房と除湿
~熱中症も大事ですが~
 
蒸し暑いこの時期、外出時は薄着になりますが、腕が冷えるとおなかを壊しやすい私には、要注意な季節です。
先日半袖で涼しい店内にいたところ、おなかどころか身体も壊し回復まで1週間かかりました。いまさらですが、どんなに外が暑くても上着の持ち歩きは欠かせません。

こんにちは、勤務獣医師の宮本三郎です。

 

今回は、お留守番中のイヌ、ネコたちに対する室温調整についてです。
みなさん、どうされていますか?
この時期動物病院に来院される原因として多いのが、嘔吐や下痢といった消化器症状です。
ほとんどの場合、元気や食欲も低下しています。そういった症状は年中起こり得ますが、
毎年6月頃から一時的に増えることがあります。

 

《寒暖の差》
季節の変わり目に体調を崩す人は私だけでなく、いらっしゃると思います。
朝晩の温度差や天候不順による気圧変化などが原因ですが、人と同じようにイヌ、ネコの中にも環境温度に敏感なコたちがいます。
消化器症状で来院された場合、通常は様々な原因を考えて飼い主さんに質問していくの
ですが(例えば、いつもと違ったものを食べていないか、どこか遊びに連れて行ったストレスはないか…などなど)、この時期の質問としては、冷房器具を使い始めたかどうかが
欠かせません。実は自然の温度変化だけでなく、人工的な調節によって体調を崩す動物は多いのです。この傾向はネコよりもイヌでよく見られます。

 

《とりあえず冷やしておけば…良い?》
イヌは自ら冷房の風が当たる場所を探し出し、その場でお休みしてしまうことが多く、
ネコの場合は比較的暑い場所(クーラーなどの影響を受けにくい場所)を探す傾向があります。猫は暑いときには暑いままで生活しようとしますが、逆に犬は暑いときには涼しいところ(人工的な冷気が流れてくるところ)で休もうとします。さらにイヌは体が冷えすぎていることにも気付かず、その場を動かないため体調不良を引き起こすことがあります。

 

《室内環境をどう作るか》
そこで普段の室温について考えてみましょう。クーラーの設定はどうされていますか?温度設定はもちろんですが、大事なのが風量と風向きです。イヌ、ネコたちのお休み場所に冷風が流れていってないでしょうか?
直接身体に風が当たることで体温が下がるため、まずは風向きに注意してください。
冷気は上から下に流れるため、直接当てる必要はありませんし、寝ている間は冷風によって口の中が乾き、さらに気管まで乾燥してしまうため、咳の発生につながるから要注意です。屋外が多湿であっても室内では加湿が必要なこともあります。ましてやケージ内でのお留守番。または逃げ場のない(隠れる場所の無い)室内でのお留守番となってくると、犬猫の体調は崩れやすくなります。
また、飼い主さん帰宅後、冷えた室内から蒸し暑いお外へお散歩お出かけ・・・。いくら日没後あるいは早朝といっても、室内外の温度差は大きいものです。加えて、冷えた体の表面は血流が乏しく、固くなった筋肉での散歩は身体に負担となります。このようにいろいろな条件が重なり、下痢や嘔吐などの消化器症状につながっていると考えられます。

 

《イヌとネコで少し違う環境設定》
こうしたことから、イヌに対して適切な環境を保つには、エアコンの冷気が直接当たらないように、扇風機を利用して空気を混ぜたり冷気があたらない空間を作るなどの工夫が必要となります。ちなみに設定温度を下げるよりも風量を上げる方が電気代はかかりませんので、お試しください。
また、ネコには温度調節は必要ないかというとそうではありません。
イヌよりも暑いところを好むため、適正環境を自分で探せるようにイヌと同様の調節に加えて、部屋を閉め切らないなど、逃げ場を作ってあげてください。またネコの場合は高さも利用できるため、安定感のある棚の上に好みのクッションを置いたり、キャットタワーの使用をおすすめします。もちろんその高さに冷気を送り続けることは避けてください。

 

《結局のところ最適な設定温度は・・・?》
設定温度は、正直なところ決まっていません。冷やしすぎないことは大前提ですが、使用しているエアコンの性能、部屋の構造、毛の長さや密度、鼻(マズル)の長さ、肥満か痩せているのか、多くの条件で違ってきます。それぞれのご家庭で、イヌ、ネコみんながどのように過ごしているかを観察してみてください。好みの場所はどこなのか、そこはどんな空間(温度、空気の流れなど)になっているのか。それぞれに適した室内環境を考え、作ってあげましょう。そうすることで、暑い夏を快適に過ごし、動物病院へ行く機会を減らすことができます。ただし、少しでも体調の変化を感じたのであれば、早めの受診をおすすめします。早期治療が早期回復につながりますのでお願いします。

 

それではまた、次回。ご一読ありがとうございました。

 

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