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vol.14「犬猫の肥満について」

獣医師プロフィール sensei 名前:宮本三郎 出身大学:麻布大学 勤務先:安田獣医科医院 趣味:ペットショップめぐりと独り旅行。         【犬猫の肥満について】 1年以上前からジムに登録しているにもかかわらず、月に2~3回お風呂代わりに利用するだけの日が続いています。日々落ちていく体力に焦りを感じるこの頃。 ほぼ毎日外食の自分にとって、栄養状態が良くないことは分かっています。 自分の管理もできないのに、動物たちの栄養管理について話すのは恐縮ですが、 肥満を放置していたせいで苦い経験をしたこともありましたので取り上げてみました。 優しくお伝えしてみます。 《 困った勘違い 》 「コロコロしてかわいい~。」「太っているくらいがちょうどいい。」 それ、栄養不良状態です。栄養不足ではなく栄養過剰の状態。 栄養バランスの不均衡が生じている病的状態です。 肥満かどうかは実際触ってみることで、よりはっきりします。 見た目も大事ですが、毛量が多いとほとんど分かりません。 評価の仕方は日本ヒルズさんの推奨しているBCS(ボディコンディションスコア)を使うと分かりやすいです。(http://www.hills.co.jp/petlife/pdf/bcsdog.pdf)最近は筋肉量のチェック(MCS)もおすすめされていますが、簡易的にはBCSが分かりやすいです。 いくつものチェックポイントがあるのですが、まずは一つだけでも覚えておきましょう。 はじめに肋骨を触ってみてください(図)。触れますか?感じることができなければ、待ったなしです!その瞬間からダイエットをしてください。 《 何が悪いの? 》 当然の疑問です。それが分かっていて愛犬愛猫を太らせる飼い主さんはいませんから。 では、肥満の害についてちょっと考えてみましょう。 すぐに思い浮かんできたのは以下4つ。 ①:重くて関節イタイイタイ ②:重くて心臓バックバク ③:太って身体がかゆい痒い ④:太って呼吸がつらくなる 名称未設定1 7 私の経験上のことですが、ちょっと考えるとすぐにお分かりいただけるのではないでしょうか。 身体が重ければ、それを支える関節に負担がかかりますし、動くときには本来必要とされる以上の力を要求されるので、心臓は過剰に働かされます。また、体脂肪の増加は正常な皮膚形成を妨げるので、皮膚病にかかりやすくなります。さらには肺が膨らみにくくなるので、浅い呼吸状態となり息苦しさを覚えることになります。本人はそれが当たり前のように生活していると思いますが、全身的には少しずつ悪影響が出てきてもおかしくありません。   《 原因はなんでしょうか? 》 ①体質 ②太りやすい犬種である ③病気 ④与えすぎ いろいろありますが、一番の原因は与えすぎです。兄弟でも体質の違いで太りやすいコがいたり、犬種によっても太りやすいということはあります。また、病気で太ってしまうということもあります。人と生活している動物たちは、与えられたものしか食べられません。 すなわち、体質や病気がなければ肥満の原因は飼い主だということです。   【 問題は身体以外にも… 】 また、動物の健康面だけでなく、実は検査や処置においても問題が出てきます。 たとえばレントゲン検査では脂肪が邪魔して見えにくい画像になりますし、エコー検査では、脂肪のせいで目的臓器まで超音波が届かず検査不能とか、開腹手術の場合は内臓脂肪が多いことで、とてもやりにくくなります。さらに、全身麻酔の管理が難しくなり費用も増大、動物だけでなく飼い主負担も増えていきます。 以上のように、肥満の弊害をあげるとキリがありません。   2 3 『見た目が丸くてかわいい』(!?)・・・モノじゃないんです。 太らせて丸くすることと、シャンプーやカットで形を整えるトリミングとは全く意味が違います。トリミングサロンでは、見た目だけでなく実際触ることで健康状態をチェックしてくれています。その上で形にこだわっているので、肥え太らせてることとは違います。 5 【 嬉々として食べる ≠ 幸せ 】 オヤツなど過剰に食べ物を与えてしまう要因として、動物がなついてくれるからとか、 ジッと見つめられると与えずにはいられないとか、嫌われたくないとか様々です。勘違いしてはいけないのが、動物と飼い主は食べ物だけでつながっているわけではないということです。スキンシップやお散歩、訓練などを通じて培われる信頼関係あるいは主従関係が、動物に安らぎ(≒幸せ)を与えます。すでにおやつを与えていて、さらに肥満傾向があるようでしたら、まずはできるだけオヤツを減らしつつ、新たな関係を作りあげ健康的な身体を取り戻すお手伝いをしてあげてください。 もし、「食事管理もしているのに、うちのコはなぜ痩せないのか?」という飼い主さんがいらっしゃるようでしたら、動物病院の受診をおすすめします。問題は食事だけではないかもしれません。またこれから愛犬愛猫のダイエットをお考えでしたら、まずはじめに動物病院の受診をおすすめします。健康的な減量のために一度は受診しておくと安心です。   それではまた次回。 ご一読ありがとうございました。 ダイエット方法についてはまたの機会にお話しいたします。

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