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vol.8 【バレンタインデーとホワイトデー】

獣医師プロフィール sensei 名前:宮本三郎 出身大学:麻布大学 勤務先:安田獣医科医院 趣味:ペットショップめぐりと独り旅行。           急な寒暖の差に、犬猫(ワンちゃん、ネコちゃん)だけでなく、私のおなかの調子もイマイチなこの頃・・・・。同じような悩みをお持ちの方、なにか気を付けていることはありますか? こんにちは、勤務獣医師の宮本三郎です。 ほっこりしたタイトルとは違って、 今回は2月14日から始まる(言い過ぎですが・・・)誤食についてお話しします。 ※誤食とは、中毒を起こす食べ物や、それ以外のモノ(布、紙類、オモチャなど)を飲み込むことです。 チョコレートやらクッキーやらさまざまな魅力的な食べ物が散らばるこの時期は、 誤食の頻度が高まります(経験的にですが)。予想を超えた行動力を発揮した動物たちが、病院に連れてこられます。 《 動物も怖い高脂血症 》 ご存知の方も多いと思いますが、チョコレートは犬猫に与えられるものではありません。人では平気なテオブロミンという成分が中毒の原因になるからですが、もう一つ重要なことがあって、その脂肪含有量がとても多いことです。そのため少量摂取でも、血液中の脂肪が急に増え、血液が白濁します(写真1のB)。 脂肪の摂取量が多いと、膵臓から分泌される消化酵素が異常に多くなり、それによって炎症を起こした膵臓などが腹痛の原因となることがあります。中毒症状の一つである吐き戻しは見た目でも辛いものですが、腹痛は見た目ではっきりしないこともあり、ジッと耐えていると思うととてもかわいそうです。 名称未設定 (写真1のB) 《 予防策は? 》 実際のところ食べさせていけないものが、『なぜか』食べられてしまったという事故を完全になくすことは難しいと思います。ですが、防げたのかなという事故は多くあります。 誤食は飼い主の目の前でというより、目を離したすきに起きることが多いようです。 「届かないだろう」、あるいは「今まで興味を持ったことがない」という判断のもと、食べられてはイケナイ物を置いて行ってしまう。事故が起こる状況は、飼い主さんの想定の範囲外で起こりえます。気が付くと、考えられない場所からチョコレートを捕って食べていた、ということがあるわけです。箱や袋に入っていても、漏れてくる匂いを嗅ぎ取って、予想を超えた行動をとるわけです(椅子をゆすり、何度もジャンプして限界を超える!)。そうして目的のものを手に入れてしまう・・・。 それらをさせないためには、モノを『 置く 』だけでなく『 しまう 』ことが必要でしょう。 手に入れるためには開ける必要がある場所にしまっておくことをおすすめします。 もし、扉を開けるようなコの場合は、鍵をかけてください。それまでも開けてしますようなコ・・・それはもう、普通の動物ではありません。それは・・・ヒトです。鍵を隠しておきましょう。 《他には?》 またチョコレートの他、クッキーによる高脂血症、レーズンは腎臓へのダメージ、 甘味料のキシリトールは低血糖を引き起こす可能性があります。普段何気なく与えているものの中に、イケナイ物が含まれていないか今一度調べることをおすすめします。 そして、もともと血液中の脂質が多いコは、嘔吐や膵炎を発症しやすいと考えられるため、健康チェックの血液検査ではコレステロールとともに中性脂肪も調べてもらいましょう。異常値があれば、さらに分類する(俗にいう悪玉や善玉コレステロールなど)ことも可能なので、かかりつけ獣医さんに相談してみてください。 《最後に》 先にもお話ししましたが、誤食を完全に防止する方法はありません。だからと言って、放置できる問題でもないのです。誤食によって困るのは動物たちですが、飼い主さんも精神的にはとても辛いものです。万が一後遺症が残った場合、我々獣医師もまた悩むことになります。 次にくるホワイトデーに向けて、いま一度、誤食の原因になりそうな物を想像して、手の届かない場所へ『 しまう 』ようお願いします。  

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