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vol.15 【うちのコ、ハアハアしてる ?】

獣医師プロフィール sensei 名前:宮本三郎 出身大学:麻布大学 勤務先:安田獣医科医院 趣味:ペットショップめぐりと独り旅行。       前回春のコラムから季節は変わり、夏。 暑さのためか体力が落ちたのか、少し動くとすぐハアハア。 息苦しい毎日を過ごしています。 こんにちは、勤務獣医師の宮本三郎です。 今回は犬の呼吸状態から考えられることをまとめてみました。   【 うちのコ、ハアハアしてる ? 】 犬が落ち着いているときの呼吸回数は1分間に30~40回未満です。 普段一緒に生活しているコが、どのくらいなのか数えておきましょう。( 図A ) さて、呼吸回数が増えているとき、ワンちゃんの体の中では何が起きているのでしょうか? 原因はいろいろ考えられますが、まずは次の4つを意識して観察してみましょう。 ①興奮 ②暑さ(高体温) ③心臓 ④痛み IMG_5647.JPG ( 図A )   ≪①興奮 ②暑さ(高体温)≫ 嬉しいときや怒って吠え続けたり、興奮しているときにハアハアしていることはよく目にすると思います。また、イヌの暑さに対する抵抗力は人に比べてはるかに劣り、高体温になると呼吸回数は増加します。 人は全身の体表から汗をかき、風を受けることで汗が蒸気となり放熱することができます。 汗をかいた状態で、うちわや扇風機などの風を涼しく感じるのはそのためです。 ところがイヌは体温調節のための汗をかけないため、口を開けて舌を出し、そこに風を受けて放熱しています。呼吸による放熱を合わせても効率が悪いうえに、散歩中はイヌの 身体の半分は地面に接し日光の照り返しを受け、もう半分は直射日光を浴びることで高温環境のサンドイッチ状態です。 そのため私たちが暑く感じる環境はイヌにとって『 かなり アツい 』 のです。 口を開けた状態でハアハアしているのであれば、まずは体温上昇を疑ってください。 お散歩中暑くなかったか、お留守番でお部屋の温度が高くなり過ぎていなかったかなど 思い当たることがあれば速やかに対処しましょう。静かで落ち着いた場所に移動させ、休ませるようにしてください。また、お水を飲ませたり、保冷剤で身体を撫でてあげることも体温を下げるために効果的です。全身に冷水を浴びせるという方法もありますが、慎重な判断が求められるので注意してください。かえって悪化させてしまうこともあるのでおすすめしません。( 図B ) IMG_5649.JPG ( 図B )   ≪ ③心臓 ≫ 興奮や暑さが原因ではない場合は、心臓に問題を抱えている可能性があります。 心臓の働きは血液を全身に送ることです。その血液の働きのひとつに酸素の運搬があります。酸素は呼吸によって血液中に取り込まれて運ばれるため、心臓に問題があると 全身の組織や細胞は酸素不足となります。すると、少しでも多くの酸素を身体に取り込もうとして呼吸回数が増加し、『ハアハアしてる』という症状が見られるようになります。 聴診するだけで心臓の異常に気付くことも多いので、まずは動物病院に連れて行ってあげましょう。( 図C ) IMG_5651.JPG ( 図C )   ≪ ④ 痛み ≫ 生まれつき関節などに問題を抱えていて、激しい動きなどで痛みが出てくることや、高齢になって腰痛や関節痛を発症することもあります。それらの痛みを抱えていたり、 急に発症したりすると呼吸回数は増えていきます。痛いところを正確に伝えてくれることは少ないので、『ハアハアしてる』原因はあいまいになることもあります。先にお話しした①~③の原因が考えにくい場合は、鎮痛剤を投薬してみて反応を観察することも時には必要だったりします。それによって呼吸状態の改善や活動性の向上が見られた場合は、どこかに痛みがあったと考え、検査や診断の一助となります。その後の対処については、かかりつけ動物病院でご相談してみてください。   呼吸の変化はすべて意味があることなので、もし気が付いたのであれば、まずは①~④を考えてみて自分で対処可能かどうかを判断してみてください。難しい場合は動物病院を含め周囲の人たちに聞いてみましょう。 また、体温計の使用をおすすめします。ペットショップでは、多くのオヤツやオモチャ以外にそういった健康チェックのアイテムもあるので、持っておくとよいと思います。 イヌの平熱は38℃から39℃前後です。普段を知っておくことで、熱があるのかどうかを知ることができ、熱中症の判断にも利用できます。ご自宅でできる健康チェック方法が増えるとよいですね。 それではまた次回。ご一読ありがとうございました。
ちっち&なな

「ハアハアする」、まさにウチの子もそうです。
とっても勉強になります。
宮本先生、頼りにしてます( ´∀` )b

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