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vol.7【高齢動物と介護】

獣医師プロフィール sensei 名前:宮本三郎 出身大学:麻布大学 勤務先:安田獣医科医院 趣味:ペットショップめぐりと独り旅行。           <高齢動物と介護> 昨年人生初海外へ連れて行った私の母も70を超えましたが、 自分と同年代もしくは年上の方たちの介護をボランティアで行っており、まだまだ健在で安心しています。こんにちは、勤務獣医師の宮本三郎です。   今回は高齢動物と介護にまつわるお話です。 介護と聞くと、なんとなく大変そうという感情に加えて、頭に浮かんでくるのは歳を重ね身体のどこかに不自由さを持った人(動物)たちなのではないでしょうか。 介護という言葉を調べてみると、【介】は、たすける・せわをする、 【護】は、まもる、という意味があります。そうだとすると、動物とともに暮らすということは、そのコの生涯を通じて【介護する】ということになります。 では、生涯を通じた介護とはどういったものでしょうか。 せわをすることやまもることは日常的なことではありますが、 まもるとは、体を張って守る!というよりも、(実際にはそういった場面は少なく、)日常的な観察によって異常の早期発見やいろいろな予防を行っていくことで果たしていけるものだと思います。   これまでのコラムでは、避妊・去勢、お口のお手入れやワクチン接種など、 いろいろなお話をさせていただきました。 しかし、イヌネコの高齢化が進み平均寿命が14~15才ともなると、 身体が健康であっても生涯を気持ちよく終えることができなくなってきました。 その理由のひとつが認知症です。 これが最近問題になってきています。 なぜなら、認知症動物を抱えたオーナー様を取り巻く環境には様々な問題が出てくるからです。   認知症を疑う症状は、夜鳴き、徘徊、失禁、不動化など多くありますが、 なかでも夜鳴きが大きな問題であることは間違いありません。 昼夜の逆転は当たり前のように起こります。夜寝てもらう対策として、 昼間に様々な刺激を与えて目を覚ましていたとしても、夜は決まった時間に鳴きだします。 また、オーナーご本人の負担、睡眠不足だけでなく、マンションであれば 上下左右の隣室から苦情を受けることもあります。 たとえ一軒家でも、無意識で発せられる鳴き声はかなり遠くまで届きます。 オーナーご自身もまいってしまうほどで、周囲の理解を求めるのはかなり困難です。 だからと言って、介護疲れは決して愛情不足からくるものではありません。しばしば人でも問題として、言い換えると事件として取り上げられることがありますが、様々な介護の負担は本人しか分かりえないことがあるはずです。 また、その精神的苦痛のケアをできる場所が少なく、動物病院としてもどこまで対応できるか難しい問題です。   動物病院は出産から葬儀までのご相談を受けていることが一般的です。 今後認知症の犬猫はますます増加していくことが予想されるため、近年では、介護方法の指導やオーナーの体力的・精神的負担の軽減(心のケア)がさらに必要となっています。   ペットオーナーの多くは人の介護を経験するよりも早く、身近にその機会が訪れます。もしそうなったとき、それぞれの生活環境にどのような問題が起きるか、そしてどのように対応していくか考えておくことは重要です。 動物たちの老化は、予想以上に早く進んでいくものです。 おや?あれ?と気づくことがもしあるならば、お早めにかかりつけ動物病院にご相談ください。 さらに詳しいお話については、またの機会にさせていただきます。

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