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去勢や避妊のメリット・デメリットは?手術はタイミングが大切!

◎獣医護師執筆◎

わんちゃんと暮らす上で大切な避妊・去勢手術。男の子が行う不妊手術を去勢手術、女の子が行う不妊手術を避妊手術と言い、どちらもわんちゃんの長生きを手助けしてくれます。

その一方で、タイミングがずれてしまうとその効果を十分に発揮できないことも…。ということで今回は、避妊手術や去勢手術の内容と、オススメの手術時期についてお話いたします。


避妊や去勢手術って何?

赤ちゃんを産むことにかかわる器官を取り除く手術のことを、避妊手術や去勢手術と呼びます。女の子では子宮と卵巣を(病院によっては卵巣のみ)、男の子では精巣を取り除きます。

これらの手術をすると子どもを産むことができなくなりますが、性ホルモンが出なくなることでさまざまな病気やトラブルを防ぐことができます◎

手術時間は男の子の場合30分程度で、日帰りすることができます◎女の子の場合1時間程度で、1泊の入院になることが一般的です。


避妊・去勢手術をするメリット

不妊手術は一度行うと元の状態に戻せないので、メリットやデメリットを把握しておきたいですよね。どういったものがあるのでしょうか?


  • 病気を防げる

女の子では乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などの性ホルモンによって起こる病気の確率を減らすことができます。

男の子でも同様に、前立腺腫瘍や肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなどの性ホルモンによって起こる病気や、精巣腫瘍などを防ぐことができます。


  • 女の子の発情中のトラブルを防げる

避妊手術が済んでいない女の子は、発情中にホルモンバランスが崩れるため、イライラしたり、食欲がなくなってしまうことも…。しかし、避妊手術をすることでこのようなトラブルを防ぐことができます!

オムツやナプキンによるかぶれもくすことができるため、わんちゃんも快適に過ごすことができます◎


  • 男の子の問題行動を防げる

男の子では早めに手術をすることで、他のわんちゃんに跨ったり(いわゆるマウンティング行為)、マーキングなどの問題行動を防ぐことができます。すでに問題行動が出てしまっている場合でも、去勢手術により軽くなる場合がありますよ!


避妊・去勢手術をするデメリット

  • 全身麻酔をかけるにあたってのリスクがある

避妊・去勢手術は、全身麻酔をかけて行います。麻酔には、とても低い確率ではあるもののリスクがあります。

安全に麻酔手術を行うために、動物病院では当日に手術前検査を行う場合がほとんどです。検査で問題がなければ大きな心配はありませんが、不安なことはなんでも獣医師にご相談くださいね。


  • 手術後に太りやすくなってしまう

男の子の場合、去勢手術をすることでわんちゃんの発情ストレスがなくなるため、食欲が増す傾向にありますそれと同時に消費量も変化するため、わんちゃんは太りやすくなってしまいます…

女の子の場合も、避妊手術によるホルモンバランスの変化により基礎代謝が下がるため、普段と同じような食生活をしているとエネルギー過多となり太りやすくなってしまいます

肥満は、わんちゃんにとって万病のもとです。手術後はごはんの量を調節したり、運動量を増やすことで適正体重の維持をしてあげましょう。


  • 子どもを産めなくなる

不妊手術をした後に子どもが欲しいな…と思っても、残念ながら元に戻すことはできません。家族でよく話し合って、全員の意思の確認をとったうえで行いましょう。


このタイミングがベスト!避妊・去勢手術の時期

  • 女の子の場合

女の子の場合、乳腺腫瘍という胸にできる癌(がん)を高い確率で防ぐためには、1回目の発情が来る前の6〜7ヶ月までに手術を行うと良いでしょう。もちろん、それ以降の時期に手術を行ったとしても効果がなくなることはなく、さまざまな病気を防ぐ手助けをしてくれます◎

ちなみに、手術の具体的な時期はその子の体格や成長により多少前後しますので、避妊手術を検討中の方は動物病院で相談をしましょう。


  • 男の子の場合

男の子の場合、性成熟が始まると男性ホルモンにより縄張り意識が芽生えるため、足を上げて排尿をする“マーキング行動”をします。マーキングが1度習慣化してしまうと、その後に去勢手術を行なっても癖づいて直らないことが多いため、マーキングをさせないためには性成熟のはじまる前である生後6ヶ月程度を目安に去勢手術を行うと良いでしょう

病気の予防という点においては、急いで去勢手術をする必要はありませんが、ホルモンによりさまざまな疾患が出やすくなる5歳までに行うことがおすすめです。



わんちゃんを飼うにあたり、1度は考える避妊・去勢手術について解説させていただきました。ひと昔前までは、避妊・去勢手術を行うわんちゃんは決して多くはありませんでした。ところが現在は、科学の発展によりさまざまなメリットがあると分かってきたため、多くの飼い主様が手術の決断をされています。

…とはいえ、もともとついている器官を手術で取り除く決断には、さまざまな迷いが生まれるものです。手術の細かい時期や術後のことについて不安な部分があるようでしたら、ぜひ動物病院にてご相談くださいね。

●ライター:いぬかい ゆうみ
獣医師の資格を保有
●編集:うしすけチーム