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健康の証拠?わんちゃんの鼻が濡れているのには驚きの理由があった!

◎獣医師執筆◎

わんちゃんの鼻というと、濡れている鼻をイメージする方が多いかもしれません。ところが、一緒に暮らしていると「あれ?元気なのに鼻が乾いているな」ということもありますよ。そもそも、何のためにわんちゃんの鼻は濡れているのだろう…と不思議に感じますよね。

ということで今回は、身近すぎて意外と知らないわんちゃんの鼻ついてお話いたします。


わんちゃんの鼻が濡れている理由

わんちゃんの鼻は、そもそもなぜ濡れているのでしょうか?わんちゃんの鼻の働きと一緒に見てみましょう。


  • においを上手にキャッチするため

わんちゃんの嗅覚は、人の約100万倍(※諸説あります)と言われており、私たちが感じないにおいを敏感にキャッチできます。実は、この嗅覚の敏感さは、鼻が濡れているからこそ引き出されています!鼻が濡れていることで、においの粒子を捕まえやすくしているのです

わんちゃんの鼻がいかにすごいかは、テレビなどで見る探索犬について知るとよく分かります。彼らは探している人の靴のにおいを嗅ぎ分けているのではなく、その人から落ちたわずかな細胞を手がかりに追跡をしているそうです。そのため、個人を特定した状態で追いかける事ができます。そんな素晴らしい嗅覚を手助けするために鼻を濡らして上手に嗅ぎ分けているのですね。


  • 身体の体温調節をするため

わんちゃんは人のように全身から汗をかくことができません。代わりに舌を出してハッハッと大きく呼吸をすること(パンティング)が知られています。この呼吸と合わせて体温調節に役立っているのが、鼻や肉球からの放熱です。人の汗の代わりとして鼻や肉球から熱を発散することで、わんちゃんの体温を適切に保つことに貢献してくれています


  • 乾燥から肺を守るため

わんちゃんが鼻から吸った空気は気管や肺へと繋がっています。鼻の中にある粘膜は水分を分泌して、外の乾燥した冷たい空気をそのまま気管や肺に流してしまわないように加湿をする役割をしています。鼻の中で分泌された水分が鼻先まで降りてくると、鼻が濡れているように見える事があります。


鼻が濡れていないと良くない?

鼻が濡れていると健康!と言われることが多いですが、鼻がぬれていないと不健康なのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。お家でリラックスをしていたり、寝ているわんちゃんにとって体温調節やにおいの嗅ぎ分けは必要のないもの。そのため、鼻がカピカピでも特に問題ありません。

運動中は一般的に分泌が多くなり鼻が濡れている事が多いですが、運動後に水分が不足して乾くこともあります。そんな時は、水分補給をすれば元に戻ることがほとんどです。シニアのわんちゃんでは年齢と共に分泌が少なくなり鼻が乾いて見えることもありますが、こちらも特に病気ではないので心配はいりません。


こんな時は気をつけて!


鼻が濡れていなくても病気のせいとは限りません。しかし、中には気をつけてあげなくてはいけない場合も・・・。どのような状態だったら心配をしてあげるべきなのか知っておきましょう。


  • 色のついた鼻水が出てくる

わんちゃんの鼻水が黄色または緑色に色づいていたら、要注意!鼻がウイルス細菌などに感染をしている可能性があります。抗生剤を使わないとなかなか治らないことも多いため、速やかに病院を受診しましょう。


  • 鼻がひび割れている

犬の鼻は乾燥することもありますが、常に乾燥をしていて湿らないようであれば要注意です。脱水症状発熱によって鼻が乾燥しているのかもしれません。鼻が乾いているのと一緒に元気や食欲がないなどの症状があるようでしたら、病院を受診すると安心です。



今回はわんちゃんの鼻について解説をさせていただきました。知っているようで、意外と知らないことが多かったのではないでしょうか?今まで飽きるほど見てきた愛犬の鼻も、よくよく観察すると新しい発見に出会えるかもしれませんね◎

鼻から分かるのは、わんちゃんの気分だけではありません。鼻は身体の状態を教えてくれる大切な器官でもあります。動物病院では鼻水をきっかけに来院されて大きな病気が見つかったケースもあります!

コミュニケーションのひとつとして、健康のパロメーターとして、鼻の奥深さに興味を持っていただけたなら嬉しいです◎

●ライター: いぬかい ゆうみ
獣医師の資格を保有
●編集:うしすけチーム