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わんちゃんの毛色はどうやって決まる?遺伝の仕組みを知ろう!

◎獣医師執筆◎

テレビや散歩中に見かけるわんちゃんの毛色は十犬十色!と言いたくなるほどにさまざまな毛色をしていますよね。実は、わんちゃんはとても豊かな毛色のバリエーションを持つ生き物です。中には黒胡麻やイザベラ、ソルト&ペッパーなど、「それってどんな色?」と言いたくなるような毛色もたくさんあります。同じ犬種でも豊富な毛色のバリエーションを持つことも。

では、わんちゃんの毛色はどのように決まってきているのでしょうか?今回は、わんちゃんの毛色を決める遺伝の仕組みを解説いたします。


わんちゃんが豊富な毛色を持つわけ

わんちゃんはなぜこれほどに豊富な毛色のバリエーションを持つのでしょうか?現在、世界には非公式の犬種を合わせると700~800種のわんちゃんがいると言われています。自然界の他の動物たちは外敵からうまく隠れることのできる毛色になっていきましたが、人と長くにわたって暮らしてきたわんちゃんはとても豊富な毛色のバリエーションを持つようになりました。また、人が掛け合わせを行ってきたこともわんちゃんの多彩な毛色に影響を与えました。


わんちゃんの毛色は、何種類?

わんちゃんの毛色は、(カラー)と発色パターンの組み合わせで決まります!


  • 色(カラー)

色(カラー)は、ブラック、ブルー、グレー、ブラウン、レッド、ゴールド、イエロー、クリーム、ホワイトの9色が主な色ですが、さらに細かく分けられることもあります。とても人気の犬種であるトイプードルは単色の子がほとんどですが、ブラック、グレー、シルバー、ブラウン、レッド、アプリコット、クリーム、ホワイトと、さまざまな色を持つことが知られています。


  • 発色パターン

発色のパターンにもさまざまな種類があります。有名なブラック&タンでは黒色の毛色をベースに黄褐色の差し色が入ります。タンとは犬の眉や目、頬の周辺に入る斑点模様のことを指します。色が濃いものをリッチタン、薄いものをライトタンと呼び、同じ「ブラック&タン」のチワワであっても全く同じ見た目のわんちゃんはいません。

もともとの毛色と発色パターンの組み合わせは、なんと100種類以上になると言われています


両親の毛色どおりにならない?

わんちゃんの毛色はどのように決まるのでしょうか?生まれてくる子犬の毛色はお父さん犬とお母さん犬の持つ遺伝子によって決定されます。しかしながら両親ともに白いわんちゃんであったとしても、子犬が白以外の毛色になることもあります。どうしてでしょうか?

それは、親から引き継ぐ毛色に関する遺伝子が複数あるためです。お父さんとお母さんが白い毛であっても、お父さんとお母さんの持っている「白以外の色になる遺伝子」が強く掛け合わさることで、白以外の毛色を持つわんちゃんが生まれます。


どうやって決まる?遺伝の仕組み

お父さんとお母さんの持つ遺伝子はどのようにして選ばれるのでしょうか?わんちゃんの毛色の遺伝は多くの遺伝子が相互に組み合わさって起こるため非常に複雑ですが、基本はエンドウの遺伝でよく知られる“メンデルの法則”により決まります。メンデルの法則とは、①分離の法則②独立の法則③優性の法則、という3つのルールにより決められる遺伝の仕組みのことです。私たち人間や、わんちゃん、他の生き物たちもこの3つの法則により遺伝の仕組みが決められているとされます。

しかし、さまざまな毛色を持つわんちゃんの遺伝全てが解明されている訳ではなく、今も研究が進められています。


途中で毛色が変わる不思議

わんちゃんの中には、産まれた時の毛色が途中で変色する子がいます。特にヨークシャーテリアは、なんと一生で7回毛色が変わると言われています!絹のような艶やかな毛と、変わっていく色の様子から“動く宝石”と呼ばれているんだとか。生後2ヶ月の時と生後1年の時で同じわんちゃんと思えないほどに毛色が変わっていることも。とても不思議な変化ですよね…!

このように、犬種によっては成長期に色や濃淡が変化していくことがあります。これらも遺伝が関わっていることが多いとされています。


わんちゃんの遺伝は奥深い!

筆者が一緒に暮らしているトイプードルは、ブラックのお父さんとブラウンのお母さんから産まれたブラックカラーでしたが、1歳になるまでに徐々に退色しグレーになり、10歳を超える今ではシルバーになっています。生まれた時の毛色だけでなく、途中で様々な変化を見せてくれることはわんちゃんと暮らしていく上での楽しみでもあります。

わんちゃんの変化を楽しみながら一緒に長い時間を過ごしていけると良いですね◎

●ライター:いぬかい ゆうみ
獣医師の資格を保有
●編集:うしすけチーム