うしすけ ブログ

Blog

わんちゃんの交感神経・副交感神経とは?バランスを保つためにできること

◎獣医師執筆◎

病院の待合室でわんちゃんが待っているときに、ハァハァと呼吸が速くなったりガタガタと震えている子を見たことがあるかたも多いのではないでしょうか?待合室が特別暑かったり寒かったりするわけではないのに、わんちゃんがこのような様子を見せるのは獣医師からするとちょっと悲しいですが、診察が嫌で緊張をしているからです。

私たちも同じような反応を起こすことがあります。試験を受けるときにドキドキと動悸がしたり、大事な用事の前にお腹が痛くなったりしますよね。こういった反応は自律神経という神経を構成する交感神経と副交感神経神経の働きによって起きてきています。

自律神経のバランスが崩れるとどうなってしまうのでしょうか?うまくバランスを取るためにはどうしたら良いでしょうか?今回はそんな自律神経について解説いたします。

自律神経って?

自律神経とは、自分の気持ちや外の環境の変化を受けて自分の意思と無関係に働く神経のことを言います。私たちもわんちゃんも「いま心臓を早く動かさないと!」と思って動かしているわけではありません。食べ物を食べた後の消化も、無意識に行なっています。自律神経とはこのように、意識をすることなく循環・呼吸・体温調節・消化・排泄・免疫などを調節しています。

交感神経と副交感神経の違い

自律神経は交感神経副交感神経という2つの神経からなっています。では、交感神経と副交感神経は何が違うのでしょうか?

  • 交感神経

交感神経は、主に活動しているときに活発となる神経です。緊張をしていたり、ストレスを感じているときにも働きます。心拍数を上げたり、呼吸を促進したり、血圧を上げることで環境に適応しようとします。

  • 副交感神経

副交感神経は、主にリラックスしているときに活発となる神経です。眠っているときをイメージするとわかりやすいですが、心拍数を下げたり、呼吸数を少なくしたり、血圧を下げたりさせています。

…交感神経・副交感神経のどちらがいい、ということではありません。この2つの神経はその時の情報や刺激に対してうまく順応するため、シーソーのように働きあっています。しかし何らかの理由で交感神経、または副交感神経のどちらかが優位な状態が続いてしまうと、自律神経のバランスが崩れて身体にさまざまな影響が出てきます。

自律神経のバランスが崩れるとどうなる?

自律神経のバランスが崩れてしまった場合、どのような症状がみられるのでしょうか?わんちゃんの場合、以下のような症状が起こりえます。

●疲れやすい
●胃の不快感や吐き気
●便秘や下痢
●食欲の低下
●元気がなくなる など…

わんちゃんの場合は、人の言葉を話すことが出来ないため自覚のある症状の全てをはっきりとさせることはできません。人で自律神経が乱れてしまった場合は、上記のような症状に加えて、めまい・微熱が続く・手足のしびれや痛み・生理不順・疲れ目・動悸・不眠など、いろいろな症状が出る可能性があるとされています。このような症状は1つだけでなく、いくつかの症状が1度に出てくることも少なくありません。

自律神経を整えるためにはどうしたらいい?

ここまでお話ししてきた自律神経の乱れはちょっとしたことに気をつけることで整えることもできます。自律神経のバランスは加齢により崩れやすくなることも知られていますので、特にシニアわんちゃんは心がけてみると良いでしょう。

●起床時間を合わせる・食事の時間を合わせるなどで規則正しい生活をする
●起きたら人もわんちゃんも日光を浴びる
●毎日適度に運動をする
●飼い主さんとの触れ合う時間を作る

また、わんちゃんは飼い主様の様子を注意深く観察して生活する動物です。飼い主様がイライラしたり、怒っているとその様子を敏感に把握して一緒に緊張してしまいます。あなたが穏やかに過ごせている事がわんちゃんが過ごしやすい環境にもつながることをぜひ覚えておいてください。

自律神経を整えて楽しい毎日を過ごそう!

今回は自律神経について解説しました。私たち人間では、社会的なストレスなどが原因で自律神経が乱れ、体調の不調が出てしまうことを自律神経失調症と呼んでいます。このように、自律神経は心と非常に深い関係があることがわかっています。それはわんちゃんにおいても同じと言えるでしょう。

季節の変化や、引越しなどの環境の変化が起きたときに「あれ?いつもと様子が違うな」と思うことはありませんか?人間の言葉を話せないわんちゃんだからこそ、ちいさな変化にも気づいてあげたいですよね。

規則正しい生活を心がけることで、飼い主さんもわんちゃんも穏やかな毎日を過ごせると良いですね。

●ライター:いぬかい ゆうみ
獣医師の資格を保有
●編集:うしすけチーム